2008/06/09

FXの投資戦略・リミットとストップ

リミット(利食い)とは利益を確定する注文、ストップ(損切り)とは損失を確定する注文を指します。FX(外国為替証拠金取引)は差金決済が原則ですから、買ったら売る、売ったら買い戻すという反対売買を行うことで損益を確定することができます。そのタイミングについては資力が許す範囲であればいつであろうと構いませんが、リスクを少なくしたければポジションの保有期間をできるだけ短くし、不測の事態を避けることが求められます。そのため、日々のマーケットを追っている参加者の大半は、賢い日計り決済を実行します。銀行のディーラー部門などではキャリアを積み重ねることによって自己裁量で持つことができるポジションや期間が増えていく事実からも、外国為替市場における長期投資は素人にとって危険極まりない行為だと分かります。(外貨預金は顧客資産を危険に晒して儲ける金融商品です)

日計り決済に限らず、相場にエントリーするためにはリミットとストップの目標値を前もって予測しておくことが大切です。裏を返せば、リミットとストップの目標値を決定することができなければエントリーするべきではないと言えます。マーケット参加者が自分なりの分析を持って予測し、そこに到達した時点でリミットもしくはストップを強制的に実行することが、事前に目標値を定めておく最大の目的です。エントリー前であれば相場を客観的に見ることができますが、エントリー後はポジションの上下が気になって相場を客観的に見ることができず、利益が出ていればリミットを早め、損失が出ていればストップを遅らせるという損大利小の心理が必ず発生してしまいます。精神的な重圧は実際に経験しなければ理解できないことでもあります。

目標値の決め方は地道にシミュレーションを繰り返すしかありません。シミュレーション自体はコンピュータが発達していますので、プログラミングができなくてもそれなりのExcel関数さえ学んでしまえば、手計算では到底不可能な量のバックテストを実行することが誰にでも可能でしょう。一目均衡表における時間論や波動論や値幅観測論といったアルゴリズム、エリオット波動、フィボナッチ比率、バーチャート罫線術などの考え方を咀嚼しながら、最終的には自身の相場観に基づき一つの結論を導き出します。尚、どれほど素晴らしいプランが出来上がったとしても、自身を納得させるだけのテストが充分に行われていなければ、やはり値動きに惑わされて相場を見失ってしまうと思います。システムを運用する能力が大切です。