日計り決済に限らず、相場にエントリーするためにはリミットとストップの目標値を前もって予測しておくことが大切です。裏を返せば、リミットとストップの目標値を決定することができなければエントリーするべきではないと言えます。マーケット参加者が自分なりの分析を持って予測し、そこに到達した時点でリミットもしくはストップを強制的に実行することが、事前に目標値を定めておく最大の目的です。エントリー前であれば相場を客観的に見ることができますが、エントリー後はポジションの上下が気になって相場を客観的に見ることができず、利益が出ていればリミットを早め、損失が出ていればストップを遅らせるという損大利小の心理が必ず発生してしまいます。精神的な重圧は実際に経験しなければ理解できないことでもあります。
目標値の決め方は地道にシミュレーションを繰り返すしかありません。シミュレーション自体はコンピュータが発達していますので、プログラミングができなくてもそれなりのExcel関数さえ学んでしまえば、手計算では到底不可能な量のバックテストを実行することが誰にでも可能でしょう。一目均衡表における時間論や波動論や値幅観測論といったアルゴリズム、エリオット波動、フィボナッチ比率、バーチャート罫線術などの考え方を咀嚼しながら、最終的には自身の相場観に基づき一つの結論を導き出します。尚、どれほど素晴らしいプランが出来上がったとしても、自身を納得させるだけのテストが充分に行われていなければ、やはり値動きに惑わされて相場を見失ってしまうと思います。システムを運用する能力が大切です。
