2008/05/22

FXの投資戦略・通貨ペア

エントリーの前に、どの通貨ペアで取引するか決めておかなければいけません。そのためにもメジャーカレンシーの特徴を知っておくことが大切です。

アメリカドル(USD)。外国為替市場における基軸通貨(キーカレンシー)。輸出入の決済などに使われる流通度ナンバー1の通貨、高い流動性を誇っていますのでドルがらみの通貨ペア(ドルストレート)で取引が成立しないということはまずありません。が、911同時多発テロの一日に限って決済機能が麻痺する事態が発生しました。湾岸戦争以前は「有事のドル買い」などと言われていましたが、湾岸戦争以後は「有事のドル売り」がよく見られるようになりました。金融政策が迅速な点も大きな特徴です。

ユーロ(EUR)。EUが発行する通貨です。外国為替市場で一番取引される通貨ペアはユーロドル(EUR/USD)です。アメリカドルがアメリカの景気後退によって弱くなっている現在、早くも次の基軸通貨はユーロではないかと囁かれていますが、ユーロ圏の結束はそれほど高いものではありません。それぞれの景気もマチマチであるため金融政策で揉めることも多いので、ドルの基軸通貨の座を奪うような展開を、ユーロに期待するのは難しいと思います。しかし、ドルに次ぐ通貨であることは確かで、各国の外貨準備においてもユーロの割合が高くなってきているようです。

日本円(JPY)。昔はドルやマルクと並ぶ通貨になりかけていましたが、バブル時の金融政策がメチャクチャであったために、金融に対する信用度がシンガポールや香港などと比べても下がり、今やマイナーな通貨となりつつあります。人口も減ることが予想され、政策金利も著しく低いので、外国為替市場において魅力的な通貨ではありません。他、ドル円(USD/JPY)以外の通貨ペア(クロス円)になると、例えばユーロ円(EUR/JPY)を買う場合、まずドル円(USD/JPY)を買ってからユーロドル(EUR/USD)を買うという中身になるため、値幅の予測がとても難しくなります。

この他に、イギリスポンド(GBP)、スイスフラン(CHF)、オーストラリアドル(AUD)、ニュージーランドドル(NZD)、カナダドル(CAD)、香港ドル(HKD)、南アフリカランド(ZAR)などがあります。見ておくべき点としては、発行国の財政や貿易の状況、中央銀行の金融政策などになります。将来的には人民元やロシアルーブルなども加わってくることになるのでしょうが、どちらもメディアに規制をかけるようなお国柄ですから、そういった不透明さが是正されない限り当分は無理でしょう。

為替差益を狙って取引するのであれば、流動性が高い通貨ペアを高レバレッジで売り買い織り交ぜ短期間保有、金利差益を狙って取引するのであれば、高金利通貨を低レバレッジで買い長期間保有、というのがFX(外国為替証拠金取引)の王道になると思います。この王道を無視した場合、ハイリスクマイナスリターンのサイクルに陥ってしまう確率が上がってしまいますので気をつけてください。