2008/05/04

アメリカのクレジット事情

外国為替相場を動かす材料としては面白みがなくなってきたサブプライムローン証券化問題ですが、アメリカの景気後退懸念が完全に消え去ったわけではありません。年初に実施されたクレジットローンの金利や手数料の上昇が破産者の増加に拍車をかけていくことは明らかでしょう。そんな中、大手クレジット会社のマスターカードは、第1四半期決算をアナリスト予想を2倍以上も上回る増益と発表しました。これにはクレジットカードの利用が増えたことや金利や手数料を引き上げたことが背景にありますが、金融業界が先の反省もないまま優良顧客を食い物にして凌ごうとしている身勝手な構造も窺えます。今後、アメリカ政府がこの点にどう厳しく対処していくかが、アメリカの景気先行きを見極めていくポイントになりそうです。