2008/04/25

本当にヘッジファンドの仕業?

外国為替市場でもおなじみのヘッジファンドと呼ばれる機関投資家が仕掛けた投機が、原油市場に弊害として現れているというもっともらしい論が展開されていますが、実際は新興国による急激なエネルギー需要の増加が原油高騰を引き起こしています。投機を問題視する類いの分析はその分かりやすさからよく用いられる王道パターンですが、ヘッジファンドを悪と決め付けてすべて規制してしまうと、マーケットの流動性が損なわれてしまい取引が満足に成り立たなくなり、資本の分配という経済活動の根幹が崩れてしまいます。ヘッジファンドはその信用力から実際はそれほどリスクがある取引をしているわけではないという説もあり、その実態が見えないがゆえにアナリストの都合が良い形で取り上げられやすいという側面があります。ヘッジファンドのせいにしたがる論理は三流とみなして良いでしょう。