2008/06/25

ミャンマー軍事政権の内疎外親

2008/06/24-21:04
長井さん射殺抗議、署名5万人に=ミャンマー大使館、提出に対応せず-東京
ミャンマーで昨年9月、反政府デモの取材中に射殺されたジャーナリスト長井健司さん=当時(50)=の妹の小川典子さん(48)らが24日、約5万人分の抗議署名を提出するため、東京都品川区のミャンマー大使館を訪れた。しかし、大使館側は応対しなかった。小川さんと長井さんの仕事仲間だったジャーナリスト木下黄太さん(41)ら約10人は午後2時ごろ、同大使館に到着。インターホン越しに門を開けるよう要請したが、男性担当者は「ポストに入れてくれ」と言うだけで応じなかった。このため、小川さんらは署名の束を門に付いたポストに詰めたり、門扉と地面のすき間から敷地内に入れたりした。
以上、時事ドットコムより

以前、長井健司さんの事件を撮影したカメラマンがピューリッツァー賞を受賞したことに触れ、外国為替市場の参加者はアジアという地域の地政学的リスクを肝に銘じてほしいと申し上げました。日本政府としては今年1月17日に高村外務大臣から「昨年12月にミャンマー警察から駐ミャンマー日本大使館に対し事実関係の説明が行われたが、両国間で未だ事実認識に相違があり、日本側としては納得していない、先週ミャンマー政府に対し、日本の警察による検死結果及び日本の警察が分析に用いた画像等を渡したので、これらを踏まえて、問題解決のため、両国の専門家も含めた形での真相究明の機会を設けることを強く求める」旨述べたのに対し、ミャンマーのニャン・ウイン外相は「改めて申し上げるが、本件は混乱の中で偶発的に発生した事件であり、ミャンマー政府と国民の双方にとって非常に遺憾な出来事であった、本件は内務省が担当しているものであるが、自分としても、再度真相究明の機会が設けられるようできる限り努力したい」旨述べたとされています。

今回の抗議署名提出に対するミャンマー大使館の態度は、遺憾な出来事であったという認識があるとは到底思えない、誠意を欠いたものと言わざるをえません。射殺事件当時に比べ、今回は「死んでもカメラを離さなかった」という美談がないからか、この件を報道するマスコミが少ない点も非常に残念です。中にはジャーナリストと危険な地を旅したがる酔狂なツーリストを同一視し、こういった抗議署名提出を揶揄する不見識な意見すら国内にはあります。ちなみに、ミャンマー大使館に女性用下着を送りつけるという抗議方法が世界では行われています。これは「女性の下着に触れると力を奪われる」というミャンマーの迷信に基づいたものであり、女性用下着がミャンマー軍事政権に対する抗議のシンボルになっているようです。